「気にしないで」
そう言うと、朝倉君は泣きそうな顔をした。
朝倉君も悩んでいるんだ。
ニ留もして、変な噂流されて、いきなり馴染めなくて。
「あの……
あたしでよかったら、友達になろう!」
そんなあたしの顔を、朝倉君はまじまじと見つめた。
正直、女子の友達が出来なかったのは辛い。
だけど、無理して好かれようとも思わない。
あたしはもう大学生、子供じゃないんだから。
朝倉君はおもむろに鞄を開け、あたしに紙切れを渡す。
「お礼ってのもなんだけど……
僕にはこれしか出来ないけど……」
少し頰を染める朝倉君が、可愛いとさえ思った。
朝倉君はこんなに普通の人なのに。
見た目と二留ってだけで差別しちゃいけないよ。



