ダサ倉君に焦がれたい







朝倉君の指があたしの顎に触れる。

ぞくっと鳥肌が立つ。

胸が破裂しそう。

そのまま、朝倉君はぐいっとあたしの顔を持ち上げた。




不覚にも、その綺麗な顔が目の前にあって。

甘くて優しい瞳に見つめられて。

心臓止まるかと思った。





あぁ、あたし、こんなに朝倉君に惚れているの?

願っても叶わない恋だと分かっているのに。

だって朝倉君は……






「三谷さん、今絶対ダサ倉の言うことなんて信用出来ないって思ってるでしょ」



相変わらずにこやかな朝倉君に、



「え……」



掠れた声で聞き返す。




ダサ倉じゃないし。

だけど……信じられないのは本当。

朝倉君は人気者のSUだし、こんなちっぽけなあたしなんかに……