「お前……!!」
勘違い男が息を飲む。
そして彼は……
「叩いてもいいよ。
でも、僕の顔に傷付けたら、どうなるか分かるよね?」
笑顔で言う。
そんな朝倉君から目が離せない。
あぁ……かっこいい。
その顔は犯罪だ。
だけど朝倉君は、天使みたいな笑顔のまま
「失せな」
低く告げる。
それが合図だった。
勘違い男は転がるようにして逃げていき……
あたしはその場に座り込む。
身体ががくがくと震えた。
怖かったからじゃない。
朝倉君に会えたから。
会いたくて会いたくて仕方なかったから。
あたしはもう、朝倉君中毒だ。



