勘違い男は抱きとめたあたしの体を離し、手を握る。
なんだかぬるぬるして気持ち悪い手だ。
そんな手を振り払おうとするが、彼は離してくれない。
「合コンに来るってことは、そういうことだろ?」
彼は耳元で囁く。
あたしはぞっとする。
そして彼は、近くにあるホテルを見た。
悪趣味なネオンが輝くホテルだ。
……無理、こんな人となんて!
「あの……あたし……初めてで……」
初めてだから、なおさら無理だ。
だが、彼は優しくするよなんて言う。
優しくされても無理だ。
そもそも、生理的に受け付けない!
渾身の力を振り絞って、体当たりしようとした。
だけど、その前にぎゅっと抱きしめられてしまって。
恐怖と絶望に支配される。
怖い……
助けて……!!



