ダサ倉君に焦がれたい










浮かれたあたしは、にこにこしながら廊下を歩いた。

家に帰って着替えなきゃ。

メイクもちゃんとしなきゃ。

そう考えるのに……

やっぱり胸の中で何かが引っかかる。

後ろ髪を引かれる思いだ。

そしてその思いは……暗い廊下をとぼとぼと歩いている朝倉君を見つけた時、さらに大きいものとなった。







「あ。三谷さん」




相変わらず個性的な格好の朝倉君は、あたしを見つけると呼んでくれた。





「これから、もし良かったら……」



「ごめん……」




そう言いながらも、胸が張り裂けそうに痛む。

そして、合コンに行く事実を知られたくないと思ってしまう。

だけど、嘘なんてつけなくて。




「何かあるんですか?」



そう聞く朝倉君に、



「うん……合コン行くことになって……」



俯きながら告げていた。




朝倉君と付き合っている訳でもないのに。

なんだこの罪悪感は!