ダサ倉君に焦がれたい








悪い妄想が頭の中を渦巻いた時……




「つばさちゃん……

なんで洵といるの?」




すばるくんは再び、苛ついた声であたしに言う。




「つばさちゃんって洵と仲いいよね。

なんで洵なの?

なんで僕じゃないの?」



そう言うすばるくんに、



「てめぇがキモいからだろ」



洵さんが爆弾を落とす。



それにしても、洵さんの人格を疑ってしまう。

女版か男版、どっちの洵さんが本物なんだろう。




ぽかーんと洵さんを見ていると、



「ほら。マジでダサ倉に誤解されるぞ。

俺は煙草吸ってから戻るから、二人で先行ってな」



彼はライターをぱかぱかさせて消えていってしまった。




あんな男の代表格みたいな人が純さんだなんて。

人って信用出来ない。

呆気に取られたまま、洵さんの消えていった扉を眺めていた。