ダサ倉君に焦がれたい








洵さんの身体は、見た目以上にスリムだった。

それも当然だ。

モデルの早瀬純だから。

だけど、筋肉の付き方は男性だなんて思わずにはいられなかった。

そして、すばるくんのほうがもう少し大きいかなぁなんて、すばるくんのことばかり考えていた。




そうやってドキドキし続けて、どこを走ってどこに向かっているかなんて分からなかった。

しばらくして洵さんがバイクを停め、エンジンを切った。

それで、目的地に着いたことを悟る。






「あ……ありがとうございました」




そう言ってふらつく足でバイクを降りたあたしの前で、洵さんはヘルメットを脱いだ。

茶色の髪がパサっと落ちて、その綺麗な顔に降りかかる。

悔しいけど、洵さんはお洒落でかっこいい。

不覚にも釘付けになってしまった。