言われた通り、正門前で洵さんを待った。
素敵なお姉様の洵さんは、あたしの話をゆっくり聞いてくれる。
そして、アドバイスをくれると思った。
アドバイスだけじゃない。
すばるくんが今どこで何をしてくれるのか、何でも知ってるんだから。
そう期待していたが……
三時過ぎ……
あたしの前に大型バイクが止まる。
乗っている人はヘルメットで顔が見えないが……
「乗れ」
固まるあたしに、彼はヘルメットを渡した。
あたしはヘルメットを受け取ったまま、ぽかーんと彼を見る。
まさか……
まさか……
「すばるに会いたいんだろ?」
イラついたように言う彼を見て、失敗したと思った。
あたしは女の洵さんに会いたかったのだが……
迎えに来たのは、まさかの男の洵さんだった。



