「圭吾。この人たち、ダサ倉がSUだって信じられないみたい」
「……当然だろ」
圭吾さんは頭を抱えて言葉を吐く。
「ねぇ、そのギター貸して。
ここでみんなのためにライブしてあげる。
僕の歌を聴いて、まだ僕やつばさちゃんにキモいなんて言えるのかな」
そう言って……
圭吾さんのギターをひったくったすばるくんは、教室で歌った。
一番前の机に乗り、スピーカーが付いていない、音の小さなエレキギターを持って。
ギターの音はほとんど聞こえなかったが、その歌声は本物だった。
少しハスキーなその声は、時に力強く時に繊細で。
あたしの胸に容赦なく響き、突き動かす。
身体が熱くなり、涙が溢れた。
やっぱり、すばるくんは天才。
あたしが焦がれて仕方ない、SUなんだ。



