それからすぐに、朝倉君は去っていった。
用事があるからと言って。
sandの用事なのかなと、いちいち気にしてしまうあたしがいた。
朝倉君がいなくなってもはや図書館にいる理由もないあたしも、家路につく。
一人でとぼとぼ歩くあたしを、
「あの人だよ、ダサ倉の彼女」
なんて人々は噂した。
どうやら、朝倉君は予想以上に有名らしい。
もちろん、ダサ倉という意味で。
それにしても、朝倉君はなんであんな格好をしているのだろう。
SUみたいにしていれば、馬鹿にされることなんて絶対ないし、モテモテなのに。
……モテモテ?
それは困る。
朝倉君はあたしのものなんだから!



