ダサ倉君に焦がれたい






教室が静まり返った。

ダサ倉は真っ赤な顔をして鞄を抱えて俯いている。

その隣で、三谷さんが怒りの眼差しであたしたちを見ている。




三谷さんってほわっとしていて怒らない人かと思っていた。

だけど、ダサ倉をからかっただけで、こんなにも血相を変えて怒るのか。

……それほどまでに、ダサ倉が好きなの?

ダサ倉のどこがいいの?




はてながあたしの頭の中を過ぎる。

そして、ダサ倉の彼女のくせに、あたしたちに楯突く三谷さんにイラついて。

またまた心無いことを言ってしまう。





「三谷さんはなんでそんなにダサ倉がいいの?

ダサ倉のせいで、友達もいないじゃん!」





長い物には巻かれろというこの世界、三谷さんが理解出来ない。

怒り半分驚き半分で、三谷さんを見ていた。