「三谷さん……勉強、しないんですか?」 「すっ……するよ!」 「じゃあ、ここ教えてください」 そう言って、朝倉君はあたしの方へと身を乗り出した。 教科書に添えられた手が触れて、ビクッとなって。 思わず手を引いてしまう。 朝倉君は驚いてあたしを見て、あたしは真っ赤な顔で下を向いていた。 ……ダメだ、バレバレだ。 あたし、朝倉君のことを意識しすぎだ。