朝倉君と歩くあたしを見て、やっぱり人々は嘲笑い、
「あの男、ヤバくない?」
なんて噂する。
笑っていられるのも今のうちだ。
もし、朝倉君の正体が分かったら、みんなはどんな反応をするだろう。
そんなこと、考えなくてもすぐ分かるのだった。
ちらりと朝倉君を見る。
ボサボサの髪で、漫画のような変な眼鏡をかけて、猫背でぎこちなく歩いているけど、そんな様子の朝倉君でさえ微笑ましくて。
あー、癒し系だなぁなんて思ってしまって。
やっぱり顔に血が上る。
やっぱり、朝倉君を意識してしまう。
胸がきゅんと甘い音を立てる。
あたし……
朝倉君が好きだ。



