「あたしとは図書館か食堂しか行かない。
けど、好きな子とはイタリアンでデートしたい。
あたしとは違うカジュアルな子が好きだし、家でご飯を作ってあげる。
綺麗なモデルさんと手を繋いだり、キス寸前だったり。
なのに、あたしとはキスもしてくれない!」
言葉を発したら、それだけ虚しくなって切なくなって。
そして、苛立ちが大きくなる。
「インディーズ時代の恋人に、歌を作っていたんでしょ?
童貞だって嘘ついて。
もう……すばるくんが分からないよ!」
あたしは吐き出すように告げ……震える手をぎゅっと握った。
震えているのは手だけじゃない。
全身がガクガクと音を立てて震えるほどだった。



