ダサ倉君に焦がれたい






「今日のつばさちゃん、可愛くないです」




すばるくんはふくれっ面で言う。

そんなすばるくんにムッとする。



なんでそんなことを言われなきゃいけないの?

この服も髪型も、すばるくんに褒めてもらいたいからなのに!






「僕はこの前のワンピースのほうが好きですね。

女の子らしくて」




つんとして言い放つすばるくんに、とうとうあたしも言い返していた。




「すばるくんがカジュアルコーデが好きって言うからでしょ?」




言葉を発したら、さらにイライラしてきて。

あの雑誌の記事が頭の中を何度も巡った。




すばるくんは口を噤み、あたしから目を逸らす。

そんなすばるくんに尚も話し続けた。