そしてとうとう……






「ふふっ。三谷さん、こっち見すぎですよ」




朝倉君が楽しそうに言う。



ヤバイ、バレていた!?




顔が真っ赤になる。

そのまま俯くあたしに、朝倉君が小声で告げる。





「ダサ倉が何してるんだって思ってるでしょ?」



「そっ……そんな!!」



「みんなには黙っててくださいね」






あー……もう、だめ。

そんな笑顔でこっちを見ないで。

あたし、本当に好きになっちゃうんだから!!






「三谷さんと僕の秘密だよ?」





朝倉君の言葉に、身体中から発火しそうになった。




後には戻れない。

そのステージに、その歌に、そしてその笑顔にやられてしまった。

あたしはもう、朝倉君の大ファンだ。