ダサ倉君に焦がれたい







「行くか!

まずは二階のこの会社だな」




圭吾さんがそう言った時……




「何してんの?」




あたしの大好きな声が聞こえた。

大好きな声なのだが、やたら冷めていて。

身震いしそうになる。






振り向くと、すばるくんが立っていて。

ダサ倉じゃなくて、キラキラすばるくんで。

腕を組んで嫌そうな顔でこっちを見ている。




「なんでつばさちゃんもいるの?」




その問いに何も言えなくて。

黙って俯くあたしの代わりに、



「悪い、俺が呼んだ」



圭吾さんが低く告げた。