ダサ倉君に焦がれたい






緊張で俯くあたしに、



「つばさちゃんが具合悪そうなの見えて……

心配になって……」



大好きなすばるくんの声が聞こえる。

その声でそんなことを言われると、余計に具合が悪くなる。

胸がきゅんきゅんして、頭が真っ白になって、立つことすら出来なくなるよ。





すばるくんはダサ倉の格好をしていると思った。

だって、あたしの横には章司君がいるから。






だけど……




ドキドキしながらゆっくり上げた視線は、彼の切れ長の瞳とぶつかる。




そこには、髪をかっこよくワックスで散らし、Tシャツにシンプルなアクセサリーを付けていて……

そして、優しげな顔で笑っていた。

圭吾さんみたいに汗びっしょりになって。






不意打ちで胸が弾け飛びそう。

息が止まりそう。

あたしまた、酸欠で倒れるかも。