「ライブを楽しみにしてくれて嬉しいけど、前の方の人、しんどいでしょ?」
しんどくなーいという声が上がるが、彼は続ける。
「もうちょっと……
みんな、もうちょっとだけ下がってくれる?
お互いに思いやって、みんなで楽しいライブを作ろうよ」
その声で、周りの人との間隔が開いた。
きっとみんなが後ろに下がって、もみくちゃがマシになったんだ。
やっと息を吸えて、体を動かすことが出来た。
真っ白になりそうな頭がすっきりしてくる。
ありがとう……
あたし、すばるくんに助けられた。
本当に……
なんでこんなタイミングで……



