たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

フィーアが黙々と作業をしていた時だった。

「.....今日はすまなかった」突然エルンストがポツリ言う。

「はい?」

エルンストの声があまりにも小さすぎて聞き返す。



「ほらお前のエプロンに毛虫がついてるぞ」

意地悪な顔でフィーアのエプロンを指さす。


「えっ?」驚いて立ち上がると、

「ど、どこですか?きゃ、やだ、えっ嘘っ?」

まるで子犬がぴょんぴょん跳ねるように、フィーアはパタパタとエプロンを払う。


こんな時は少女の顔を見せるのだな。
ああ、こいつはまだ19だった。そう思いながらフィーアを見ていたエルンストだったが、


「嘘だ」ポツリつぶやくと知らんぷりを決め込んだ。



「ご、ご主人様!ヒドイですっ!」

口を尖らせて怒るフィーアを完全に無視して作業を続ける。


ご主人様のお気持ちは本当によく分からない。だけど、こうして一緒にお仕事が出来るのが楽しい。

胸がトクンと鳴るフィーアだった。