だったらあんたが堕ちてくれ


「そんなに勉強してどうするの」

「来週からテストが始まるからその勉強だよ」

「あんた何年」

「二年」

熱々の焼きおにぎりにかぶりつく。

はふはふと口から吐き出された息は暖かい部屋の中でも白く色づいている。

美味い。
言おうとして振り向くと椿の瞳が冷たく光った。

「そんなことして何になるの」

「何って、学生の本分を全うしてるだけだろ?」

「勉強していい大学を出て、そんなの生きていく上でなんの役にも立たない。全部無駄」

「そんなの分かってるよ。でもいまは勉強をするために学校に行ってるんだ。勉強するのは当たり前のことだろ?なんでそんなに突っかかるんだよ」

鼻を鳴らして椿は部屋を出ていく。

いまのは一体なんだったんだ?

椿のありがたいお言葉に興を削がれ、教科書と参考書を閉じた。