おまえがいま幸せなのは誰のお陰だと、恩を仇で返すのかと突っかかった。 二人はそんな俺を笑い流した。 倉留莉香の姿はあの日以来見ることはなかった。 俺の家から三十分の所に住んでると言っていたのに、ついぞ一回も見かけることはなかった。 もしかしたら引っ越したのかもしれない。 忘れたいだろう。 消してしまいたいだろう。 この街は倉留莉香にとっては辛い場所だから。