だったらあんたが堕ちてくれ


「母さん。椿が一緒かの確認だった。ってかなんで一緒だって分かったんだろう?」

伸ばしかけて引っ込めた手が、どうにも恥ずかしくて話題を振る。

いや、やましい気持ちなんてないんだけど。

本当、紳士的な意味で手を伸ばしただけだけど。

意識してしまったら何を話せばいいのか分からなかった。

何をしたら笑ってくれるか。

何をしたら喜んでくれるか。

何が好きで何が嫌いか。

俺には何一つ分からない。

だから、せめて、俺のと同様冷えてるであろう手を少しでも温めてやろうと、ただそれだけの気持ちだった。