「母さん、この方は一体どちら様だい?」 現状を把握できていない父さんは、ちらりとその女を見て首を傾げている。 いや、俺も現状把握なんてできてないが。 「柊が、また拾ってきたの」 「だから拾ってないって!」 「おい、柊。さすがに人間は拾っちゃいかんだろ」 「だから!」 「ねえ、冷めるよ」 俺の声をここに居るべきじゃない他人が遮る。 「そうね、まずは食べましょ。いただきます」 「いただきます」