「椿の言ってることも正しいと思うよ。でも人は一人じゃ生きていけない。誰かに助けてもらって、誰かを助けて、関わりを持たなきゃいけない。ならその相手に感謝を示さなきゃ、伝えなきゃ、分かり合わなきゃ、独りぼっちになっちゃうじゃないか?」 正論。 我ながらいいこと言った。 ここぞとばかりに真っ直ぐに椿を捉える。 俺は酔っていた。 言った言葉に、いまある事実に、声をかけた自分に。 「一人の何がいけないっていうの」 そこを突っ込むやつがいるなんて思いもしなかった。