「私おばさんじゃないし。そもそも初対面の女性に対しておばさんってかなり失礼」
「え?初対面?何?どういうこと?柊、この人一体誰なの?」
「俺だって知らないよ。追いかけれただけなんだから」
「なんだー、彼女じゃないのかー。つーまーらーなーいー」
おいおい。
そんな呑気なこと言っている場合じゃないぞ。
早くその間抜けな面を引き締めろ。
臨戦態勢に入ってくれ。
「あの、ドア開けとくと寒いんで、そろそろ帰ってもらえます?」
どこか物腰の低い母さんの言葉に、その女は開いたままになったいたドアを閉める。
「え?」
「何?」


