どの俺でもいい。 変わってくれ。 俺なら困ってる人を放っておけないはずだ。 いま困ってるのは俺自身。 誰か俺を助けてくれ! 高く高く、可能な限り腕を上げ手を伸ばす。 筋肉が引き攣る。 後肘部が痛い。 それでももっと高く、どこかに存在する俺に向けて手を伸ばす。 「何してんの」 ノックもなしにドアの隙間から椿が顔を覗かせている。 「宇宙を掴もうかと」