「信用じゃなくて利用」
目も合わせず吐き捨てて、鍋に新しい肉を投入する。
「人聞き悪いな。うちの親はそんなことしない。認めたくないけど、俺の家族は椿を信用してるんだよ」
「はっ。知ってたけど。あんた。いい子ちゃんだね」
「何だよ、それ?」
「そのまんま。他人を心配して声をかけたり、捨ててある動物をわざわざ拾ってきたり、テストのために勉強したり。いい子ちゃんの模範生」
俺はいま褒められているのか、貶されているのか。
椿の声で一目瞭然。
確実に貶されている。
椿の声は低くー
「馬鹿みたい」
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