特別な君のために


「……」

息が、詰まるかと思った。

なるみはもう、我が家の事情を知ってしまった上で、私に向き合っているんだとわかったから。

もう、今までのような『ごく普通の友達』ではなくなってしまった。

『障がい者の妹をもつ、可哀想な友達』になってしまった。

なるみが、泣きそうな顔で静かに話し始める。

「知ってたら、ちーちゃんが帰ってきている時間には電話しなかったんだけどな。私が電話したせいで、そんな風になっちゃったんでしょ?」

「ううん、違うよ。なるみのせいじゃない。私が千春への対応を間違っただけ。スマホをポケットに入れっぱなしにしていたからなの」

「スマホをポケットに入れっぱなしにするのは、当たり前のことじゃない? 電話が鳴らなければこんなことにはならなかったのに……」

「スマホなんだから、鳴るほうが当たり前でしょ! 妹の前で鳴らしちゃったのが私のミスなんだ。だから、なるみのせいじゃないの」