特別な君のために


「どうかしましたか?」

そう聞いてからも、奏多先輩の目線が私から離れない。

整った顔立ちが間近にあって、しかも私を見ているとなれば、落ち着かない気持ちになっても仕方がない。

そういえば、こんなに近くで奏多先輩を見たのは初めてかも知れない。

つい、私もまじまじと先輩の顔を見てしまう。

綺麗な目が、私を映している。

いつもの私。童顔で小さくて丸いほっぺの、今でも中学生に間違われてしまう子どもっぽい私。

まさかさっき食べたたこ焼きの青のりでもくっつけていただろうかと、はっとして口元を手で隠した。

「あ、いや、あのさ」

珍しく奏多先輩が口ごもっている。

いつもあんなにはっきりきっぱり話す人なのに。やっぱり青のりがついていることを指摘しにくい、とか?

「私の顔に、何かついてますか?」

恐る恐る聞いてみた。すると。

「ああ、顔のパーツは全部揃っているな、でもそれだけじゃなくて……」