「おはよ、美冬!」

「おはよ、なるみ。昨日は妹がごめんね」

「いいっていいって。ちーちゃん、だったっけ? 電話好きなんだね~。可愛いな~。何歳なの?」

やっぱり聞かれた。
仲のいいなるみにさえ、今までずっと秘密にしていた妹のこと。
人がたくさんいる教室の中で話したくない。

どうしようか、一瞬迷ったその時。

「あ、なるみ、美冬、おはよ。明日の練習だけどさー」

都合よく、他の友達が違う話題を振ってくれたので、それに乗っかろうと思った。

「おっはよ~。明日は四時からね。それより聞いて聞いて! 美冬の妹、めっちゃ可愛いんだよ。昨日電話で話したんだけどね!」

あ……なるみに先を越された。しかもその話題のまま。

「で、何歳だっけ?」