何と返信すればいいのか考えているうちに、心の底がざわざわした。


なるみは千春を五歳の妹だと思い込んでいたので、私はあえて誤解させたままにしておいた。

でも、ランちゃんは千春が実際には十五歳の高校一年生だと知っている。

あの電話でなるみも千春の年齢を疑い、ランちゃんとの会話で実は高一であることが判明、そして千春に障がいがあることも確信してしまったのではないだろうか。

なるみに本当のことを言えないまま、後輩から真実を伝えられてしまうなんて。

なるみは私に嘘をつかれたと怒っているんじゃないだろうか。


しかも、周りで会話を聞いていた部活のみんなにも、千春の障がいのことを気づかれてしまった可能性は高い。

だって、幼稚園の頃の千春は今よりずっと手のかかる、自閉的傾向の強い子だったから。

私がいない間に、知られたくなかったことが広まってしまっている……。

もう、明日からの部活にも行きたくない。

最悪の気分だった。