それからまた、時は流れて。


「響多、もうちょっとじっとしてなさい! 袴がぐしゃぐしゃになるでしょう!」

「あ~、唱多! 千歳飴まだ開けるな! 写真を撮ってからだ!」

「千春、あと三分だけそこで待ちます」


今日は双子の七五三のため、家族で帯広神社へ来た。

両親の応援もあり、何とか写真撮影と参拝が終わった。

この後は、私の実家で会食の予定。正直なところ、もう疲れたから早く実家に戻って着物を脱ぎたい。

きっと子ども達も同じ気持ちなのだろう。

だからって、レンタル衣装を強引に車の中で脱ごうとするのはやめていただきたい。

本当に、男の子はやんちゃだ。もしかしたら、小さい頃の千春の方がおとなしかったかも知れない。



洋服に着替え、お母さんが作ってくれたお祝い膳をお腹いっぱい食べた双子達は今、千春に遊んでもらってご機嫌だ。

今はまだ、千春がお姉ちゃん(実際にはおばさんだけど)として接している。

だけど、千春を追い越して成長してしまう日も近い。

おそらく、近い将来、千春の障がいに気づくだろう。

その時、子ども達にはこう伝えよう。


「ちーちゃんがママの大事な妹であることは変わらないの。あなた達のお世話をしていっぱい可愛がってくれたことにも変わりはないでしょう。時々戸惑うことがあっても、あなた達はちーちゃんから愛されてる。それは忘れないで……」