『流星群…フォルトゥナ流星群、だっけ。』

「うん。150年に一度だっけ?すごいよね。」



検索した画面に書いてあった文章を思い出しながらなんとか言葉を続ける。


そんなあたしとは対照的に、流星は黙ったままだ。



「8月15日がピーク…だとか、なんとか。」



ネタが尽きた。


尻すぼみに小さくなるあたしの声。


相変わらず黙ったままの流星。



興味ないからってそんなにあからさまに黙らなくたっていいじゃない。



少々イラついて、半ば意地になったようにあたしも押し黙った。


再び訪れる沈黙。


やっぱり気まずくて、このまま電話を切ってしまおうかと迷った、そのとき。



『…流星群、見たいな。』



ポツリと、呟くような声。


あまりにも寂しそうな声だから、一瞬流星のそれだとはわからなかった。