広い部屋にベッドが一つ。

そのベッドの上で一人、ボーっと寝ぼけ眼で考える。

「……ここ、どこ?」

さっきまで私は、確かに千歳と馴染みの居酒屋で飲んだくれていたハズ。

それなのに、なぜベッドの上で目を覚ましたのだろう?

しかも、私のベッドと比べ物にならない位、デカい。

「頭痛い……」

かなりの量を飲んだせいか。

考えるのに頭を使うと、余計に頭痛が激しくなってくる気がした。

「もしかして私、やっちゃった……?」

覚えていないけど、酔った勢いで大変な事をしでかしてしまった?

でもホテルって感じはしないし、それに酔った私を放っておくような事を千歳はしないだろう。

服もちゃんと着ているし、しでかした感覚もない。

「じゃあ、ここどこ?」

そう呟いてガンガン響いている頭を抱えたら、カチャっとドアが開く音がして私は咄嗟に身構えた。

「……うそ、なんで?」

ゆっくり開かれたドアの先には、トレイを持った課長が立っていた。