女の子(?)「ちょっと待ってよ!付き合ってくれるって言ったよね!?」


去ろうとすると女の子に腕を掴まれた。


璃夢「いや、付き合うなんて言ってないですけど!?」


付き合ってよねって言われてうんともすんとも言ってない!すんとは言わないけど!


女の子(?)「あっ私の名前、まだ言ってなかったよね?」


あっ、そう言えば聞いてない。ずっと心の中で女の子って言い続けるのは失礼だよね?私もちゃんと自己紹介しないと。


雪「てゆーか、私とか言うな。気持ち悪い」


女の子(?)「気持ち悪いってなによ!これでも一応お兄ちゃんなんだよ!?」


雪「腹から出てきたのが先ってだけで日にちは一緒だろーが。」


お兄ちゃん?同じ腹から出てきた?日にちは一緒……え、もしかしてこのふたり、お友達じゃなくて…


璃夢「双子?」


女の子(?)「そーゆうこと!雪の女装姿が私だと思ってくれればいいよん!」


そう言って可愛らしいぱっちりウインクをされた。

なるほど…言われて見れば確かにそっくりかも?え、ていうかお兄ちゃん?日向くんが、じゃなくて、日向くんの、お兄ちゃん?


雪「俺の顔で女装とかすんなってのに…」


え、女装ってことは、え、そういうこと?この子、女の子じゃないんだ!え、可愛!


女の子(?)「雪が私の顔をとったんじゃん。その顔でケンカなんかするから私が女装することになったんでしょ?」


璃夢「あ、そうなんですか?」


女の子(?)「そうなんだよ〜。あっ、敬語はいらないよ?この通り私たちってそっくりじゃん?だから、雪に間違えられてケンカ売られるようになったんだよね」


なるほど…日向くんはケンカが強くて有名だから、そっくりなお兄ちゃんは間違えられてケンカ売られるってことか…。それは困るね…


女の子(?)「そこで私は考えた!同じ顔で似たような服装していればそりゃあ間違えられるはずだ!よって、女装をするようになったと言うわけだ!」


そんな深い理由があって女の子の格好をしてるんだ…それじゃあいや、だよね…可愛いって言われるのも…。


璃夢「じゃあ、今も嫌で女装を?」


女の子(?)「あっ、コレはもう私の趣味だ」


あ、あれ!?趣味になっちゃった!?

でもこれだけ似合ってたら勿体ないよね。