大和「そりゃそうだろ。小さい頃から璃夢ちゃんに苦しい思いをさせたんだ。とっ捕まえて再起不能にするぐらい普通だろ?」


璃夢「そんな普通はありません!」
大翔「そんな普通はねぇ!」


大和「ハモっていうことかよ。つーか、あんまりうるせぇとまた八重樫の頭に響くぞ」


璃夢・大翔「「あっ」」


大和さんに言われて八重樫くんに視線を向けた。


翼「すぅ…すぅ…………」


璃夢「………寝てる?」


八重樫くんの顔をのぞきこんでみると穏やかな寝息をたてて眠っているようだった。

よかった…怪我を治すには睡眠が一番大事だからね。


大翔「それで?大和は何したらいのか分かったのか?」


大和「くっ…あんなの呪文じゃねぇかよっ!」


えっ、説明したけどよくわかって貰えてなかった!?結構分かりやすく言ったつもりだったんだけど…まぁたしかに聞き馴染みの無い言葉たちは呪文に聞こえるのはわかる…。数学の授業とかそうだもんね。


大翔「はぁ…じゃあ璃夢、悪ぃけど紙に書いてやってくれ。その間に俺ら八重樫隣の部屋に運んじまうからよ」


璃夢「あ、そうですね!」


そう言って大翔さんは机の引き出しから勝手に紙とペンを持ってきてテーブルに置いた。

そして大翔さんは八重樫くんの両脇に腕を差し込んで持ち上げ、大和さんは八重樫くんの足を持って隣の部屋へと運んで行った。


璃夢「何も言ってないのに連携取れててすごいなぁ」


だって『足持てよ』とか『持ち上げるぞ』とか言ってないのに息ぴったりに持ち上げるんだもん。


璃夢「よし、じゃあ今度はちゃんと分かるように書かないとね」


書いたメモまで呪文って言われちゃったら悲しいので、文章じゃなくて、なんて言うの?点を書いて1個ずつ書いていく。

《それは箇条書きのことかな?国語の勉強をしましょう》