「あ、……なんだ奈穂実か 」

「なんだって何よ。人が心配してあげているのに」

「……心配って?」


わたしの顔を覗きこむように顔を近づけている奈穂実に聞き返した。


「顔色が悪いし、ボーッとしてるし。もしかして雨だから頭痛い? 」

「ううん、今日は全然痛くないよ」


わたしは奈穂実を安心させるように笑顔を作った。