けれど、わたしは双子たちの声なんて気にならなかった。

「奈穂実ありがとう。これで雨がやんでくれると思う」


素敵なプレゼントがうれしく、てるてる坊主の頭を優しくなでた。

そしてペンケースからマジックを出して、てるてる坊主に顔を描こうとしたとき、先生が教室に戻ってきた。


立ち歩いている生徒たちは一人残らずに睨まれていく。

ヒステリックを起こされる前に、奈穂実と他の生徒たちも席へと戻っていった。
わたしも没収される前に、机の中にてるてる坊主たちを隠すように詰め込んだ。