昨夜からのどしゃぶりの雨は、目が覚めたときには小雨になっていた。
だからってこのまま晴れるわけではないのだと思う。
雨を蓄えている雲は空をずっしりと低く落とし、朝を暗く囲っている。

顔や腕だけじゃなく、制服をすり抜けてまで体に絡みついてくるジメッとした湿気が気持ち悪くて、替えのブラウスを持ってくればよかったと後悔しながら学校についた。

靴箱の入り口で傘をたたむと、登校してくる他の生徒たちに散らないようと気を配りながら距離をとる。

傘についた雨粒を払いながら、一緒に軽く頭をふるってはみたけれど、雨粒のように簡単にはこの頭痛は散ってはくれなくて。