「美晴のこと、……友達だと思っていたのに」


そんな母親の姿を見下ろしながら奈穂実は呟いた。


「それはわたしも同じだよ」


わたしは奈穂実ではなく、実宇子に返事を返した。
実宇子からの返事はもらえなかったけれど。

でもまぁ、本人には味あわせてあげれなかったけれど娘が友達から裏切られる気分は味わえたよね。


「ここまでするなんて。……あんたなんか、地獄に落ちればいいのよ」


奈穂実はそう言うと、実宇子に引っ張られながら教室から出て行った。