思っていた以上の反応に楽しくなってくる。

許さないって言ったってどうしようもないくせに。
その調子でもっともっと苦しんでくれればいいのよ。



「ほらほら、早く逃げないとあいつが来ちゃうよ」


わたしに急かされてハッとした実宇子は、側でベタッと脱力している奈穂実を引き上げるように無理矢理立たせた。

そして、よろめきながら教室の入り口へと向かっていく。

どこにどうやって逃げるのか知らないけれど。


「あ、実宇子ちゃん、待って」


睨みながら振り返った実宇子に、わたしは残りのてるてる坊主をぶら下げるように見せた。

そして、ヒョイッと投げ渡した。