新しい首を見つけた首なし坊主は、ほのかの髪を鷲掴みにして持ち上げた。


この人、顔がないくせによく分かるな

ってつくづく思う。


ぶらんっとわたしたちの方に顔を向いたほのかは、何かを訴えかけるような目をして、何度かまばたきをしてきた。


「ひっ、生きてるっ?! 」

「うん、まだ生きてるねー。ほーのかー」


怯える奈穂実に答えると、わたしはほのかに笑顔で手を振ってみた。

ペタンとその場に座り込んでしまった奈穂実。
ホラーが好きって言うわりには大したことなさそう。