あの実宇子と潤子が“わたしを見て怯えている”ということが、鳥肌がたつほどにゾクゾクとする快感を与えてくれる。

そんなに怯えてくれるのなら、あとで多華江にも会いに行ってあげなくちゃって気持ちにもなってきた。


「母さん、美晴と知り合いだったの? 死んでるって何? 」


この状況を理解できなくてわたしたちをキョロキョロと見ている奈穂実。
仲間はずれされているみたいに思えて少し可哀想。


「『殺されている』って言った方が正解かな。だから『わたしと話さない方がいいよ』って教えてあげたのに」


わたしの説明で奈穂実はやっとクラス中の変な視線の意味が分かったみたい。
奈穂実は目を見開くと、わたしの足を見た。

ベタな考え。死んでいたって足はあるのに。