「そう。わたし死んでいるの」


わたしが姿を現すと、奈穂実の母親、そして潤子とほのかが声にならない悲鳴をあげた。

それが堪らなくおかしくて、とうとうわたしは声を出して笑ってしまった。

ほのかは隠れるように潤子の胸に顔を埋めてわたしの声さえ聞かないようにしている。

見えてもなお、わたしは“存在しないもの”として扱われてしまうんだね。

まぁ、ほのかに何と思われようと、どうでもいいけれど。


「やっと気づいてもらえた。実宇子ちゃん、潤子ちゃん、久しぶりだね。……って、わたしはいつも見ていたけれどね」


わたしは再会が嬉しくて、最高の笑顔を作って二人に向けた。