でも、ここまで来たらもう引き返すわけにはいかない。


奈穂実を殺させはしない

絶対に阻止しないと



「美晴、あそこの窓開いてる」


先に乗り越えていた奈穂実が、わたしが降りてくるのを待ちながら1つの窓を指差した。
ほのかがそこから校舎の中に入ったのだと思う。


うなずいて門から飛び降りた時、2階の一角に電気が灯った。

そこは間違いなく2年A組。


「奈穂実、行こうっ」