周囲の人達がこっちを振り返ったけれど、すぐに興味はそれたらしくみんな目線を前に戻した。


「大事な話をしているのだから静かにしてっ」


奈穂実の母親は、話しに入ろうとする奈穂実を一括すると、潤子と小声で話しはじめた。

そして奈穂実は母親達に聞かれないように、同じようにわたしに小声で話しはじめた。


「美晴、あのてるてる坊主はどうしたの? 」

「へ? ……机の中に入れっぱなしにしてあるよ」


一瞬、わたしが疑われたのかと思って冷や汗が出てしまった。