「遠慮なんかしなくていいよ。それに美晴を紹介しておきたいし」

「とんでもない。わたしを紹介する必要なんてないよ」


さっさと帰ろうと立ち上がると、奈穂実に手をがっしりと掴まれてソファへと引っ張り戻されてしまった。
その顔はからかうように意地悪く笑っている。


「それに今一人で外に出たら、首なし坊主に出会うかもよ? 」

「……う」


それを言われると外に出るのは嫌なのだけれど……。



「ぎゃあああっ! 」


―――― ドサッ



突然、女性の悲鳴が聞こえたかと思うと、何かが落ちた音がした。