雨のせいで体調が悪くなったと心配してくれる奈穂実は、よしよしと優しく頭を撫でてくれる。


もうすぐ梅雨が明ける……


「奈穂実、……付き合わせてごめんね」

「いいよ」


わたしはうなずくと黙って目を閉じた。

式場から漏れ聞こえるお経を書き消すように、ザーーーッと強い雨が降り始めていた。