式場内はむせるほどの花の香りとお線香の香りに満たされていて、清らかな音楽が静かに流れていた。

生徒達は学校用に確保してあるスペースに誘導され、詰めるように座らされていく。

わたしはわざと列から外れ、端の椅子に腰かけることができた。
これならいつでも式場から出られるから。

先生の話を聞いているときから気分が悪かったのだけれど、式場に入った途端、立つのもやっとなほどに気分が悪くなってきた。


「美晴、どうしたの? 頭痛いの? 」


わたしに合わせるようにして、隣に座った奈穂実が心配そうに聞いてきた。